IP電話サービスの急増 |
IP電話とは、デジタル化された音声情報を細切れにしてインターネット通信網で送り、受信側で復元して通常の電話と変わらないサービスを提供する技術である。この技術を使って、格安のIP電話サービスを提供するフュージョン・コミュニケーションズ(東京・千代田区:URLはhttp://www.0038.net/)は、国内ならどこにかけても3分20円という低料金でIP電話サービスを提供している。すでに2001年12月末に加入者100万回線を達成した。
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フュージョン・コミュニケーションズ社のホームページより
(http://www.0038.net/serv_con/)
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日本国内の遠距離電話(100km超)の料金を比べると、NTTコミュニケーションズやKDDIの従来型電話が3分間80円であるのに対して、ソフトバンク・グループ:7.5円、フュージョン・コミュニケーションズ:20円、NTTエムイー:20〜40円、JENS:45円という安さである。
さらに、国際電話ではその差はもっと開き、日本→米本土間が、NTTコミュニケーションズ:160円、KDDI:180円であるのに対して、ソフトバンク・グループ:7.5円、フュージョン・コミュニケーションズ:45円、JENS:45円、NTTエムイー:48円となっている。通信品質は従来型電話とほとんど変わらなくなっているから、消費者がいずれを選ぶかはもはや議論の余地なし、の地点まで現実は変化している。
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固定電話料金タダの時代がくる |
さらに注目すべきことは、ブロードバンドネットワークが地域にLAN(ローカルエリア・ネットワーク)を実現することである。これにより、従来考えられなかった革新が起きようとしている。電話料金がタダになるのである。ただし、IP電話専用の端末が必要になる。専用端末といっても、形状や使用方法は普通の固定電話とまったく同じ。端末の値段も需要の高まりによって安くなり、通常タイプの電話機と遜色ないところまで下がりつつある。
ネットワークを構築したフロアや建家内では、コンピュータ、プリンタ、コピー、FAX、スキャナなどが常時ネットにつながっている。ブロードバンドネットワークは、これを地域に広げたのと同じと考えればよい。そのネットワークにIP電話をつなげば、ネットワークの内部では電話料金がいらなくなるのだ。このようなサービスを実施したり、実験したりする自治体が生まれつつある。北海道・西興部村や愛知県名古屋市郊外の大口町などだ。
西興部村では、全戸にFTTHを導入し、牛舎に監視ロボットを設置したり、在宅健康管理端末を村民に配り、個別・ダイレクトに村民の血圧や体温などのデータを役場が収集しその場で遠隔健康管理するシステムを構築した。
大口町では全世帯(人口2万人)にADSLを導入し、無料IP電話サービスの実験を開始した。 |
IP電話実証実験をお知らせする、大口町のホームページ
(http://www.town.oguchi.aichi.jp/bb/bb.html)
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